訣別〈ゴールドマン・サックス〉

個人投資家が直面する社会の動きからの疎外感。会社単位でのマクロな付き合い方が個人では難しいため、色々な会社がどの様に日々活動しているかは知る由がありません。

こういった疎外感を埋めるためには情報を取り入れることが一番だと思います。そして、その際活用するものが、実際にその会社で働いた経験のある人物の出版物、またはその人物を追った著者の出版物です。

私の場合、個人投資家として曲がりなりにも金融の世界に属しています。そのため、金融大手の実情や活動に対して非常に関心を持っていました。

そこで読了した書物が今回ご紹介する「訣別〈ゴールドマン・サックス〉」です。

 

common sense

著者の大学時代から始まるストーリーにより、ゴールドマン・サックスの活動を人材採用の時期から追うことが出来ます。また、ゴールドマン・サックスのような大手投資銀行への入社意欲がある人材は、他の投資銀行へもエントリーするため、投資銀行での人材採用がどの様になされているのかが見て取れます。

さらに、著者がゴールドマン・サックスへ入社した後も著者は他の投資銀行に人脈を持っています。それにより、ゴールドマン・サックスの日々の活動だけでなく、他行の活動も紹介を受けます。結論としては、投資銀行であればやっていることは大抵同じということです。

ゴールドマン・サックスの話に戻すと、社内におけるコーポレート・ガバナンスや階級、マクロなビジネスモデルから一従業員の働き方まで、充実かつ盛り沢山な内容が活字によって表現されています。

大手投資銀行の社内での常識。顧客との付き合い方に関する常識。そして、お金との付き合い方に関する常識など、一個人投資家では辿り着くことが非常に困難な環境での話が繰り広げられています。

 

Culture

同じ金融業界に属する者として、やはりゴールドマン・サックスに対しては尊敬の念や憧れが強いです。苦戦した時期があるとは言え、金融業界の絶対的な勝者であるからです。

この書籍を通して自覚したことが一つあります。それは憧れを抱いているからとはいえ、その文化に適応出来なければ一緒に時間を過ごすことは出来ないということです。

私は誰よりも自分の文化にどっぷりと浸かっているため、ゴールドマン・サックスで働く機会を得たとしても、その選択は自分が望む結果を生まないと思います。例えどんなにその案件が魅力的であったとしてもです。

投資銀行という華やかな一面を大いに持つゴールドマン・サックス。その文化はやはり独特で、独特だからこそ成功を収めてきたとも思います。しかし、私にとってはその文化は魅力的でなく、自分自身の文化が一番だと認識しています。

たまに揺らぐ個人投資家としての自覚。それでも、「私はやっぱり個人投資家が良い」と気づかされました。ゴールドマン・サックスの実情、そして、自分の立場にも目を向けることが出来るこの書籍は読む価値ありです。

 

訣別〈ゴールドマン・サックス〉

 

出典:Amazon

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